空室対策の一つとして家賃の値下げ提案があります。相場が下がってきているので、募集家賃も下げるしかないか・・・と、大家さんなら考えてしまうかもしれません。
しかし、家賃の値下げでOKを出すのは少し待ってください。
家賃の値下げをして、うまく賃貸経営が安定していれば、他の賃貸物件も条件変更しているはずです。ぜひ、このページを読んでからでも遅くはありません。参考にしてほしいですね。
もくじ
家賃値下げのメリットは?
問合せや内覧が増えること
家賃を値下げすれば、ネットや電話による問合せや部屋の内覧が増えますね。
「まだ空いていますか?中を見たいのですが・・・」家賃の値下げは、お部屋を見たい一つのキッカケになるからです。まずは反響を増やせるというメリットを理解しましょう。
家賃値下げのデメリットは?
反響が取れても成約の有無は別の話であること
家賃を下げれば、反響が取れても、成約の有無は別の話であることを理解しましょう。不動産管理会社や仲介業者も上手なので、値下げすれば絶対に申込が入る!とは言っていません。だから、あくまでも反響が取れるだけです。やってみないとわかならい・・・と逃げるでしょうね。
仮に内覧が入っても、さらに値下げ交渉が入れば、大家さんは断ることができません。
「あと5000円下げれば、今申込しますが、どうしますか?」
「・・・」
不動産収入も下がってしまうこと
家賃を下げれば、不動産収入も下がってしまいます。不動産貸付業は、満室家賃が収入の上限だからです。少しでも家賃アップを考えないと事業をしている意味がありません。
不動産管理会社や仲介業者は成約することが目的なので、大家さんの不動産経営にはまったく関心を持ちませんから。値下げを渋る大家さんは、ケチか?わからず屋だと思われていますよ。
入居者の質が下がること
家賃を下げれば、入居者の質が下がります。これは、差別をしてる訳ではありませんが、家賃に応じて入居者も変わってきますから。よほどの入居審査と経験のある担当営業マンがパートナーでないと、事務的に内覧→申込→オーナー承認→賃貸契約→入居となりますね。
入居者の質が下がっても審査OKしたのは、大家さんだから、と逃げの一言で終了です。
既存入居者からの家賃交渉がくること
家賃を下げれば、既存入居者から家賃交渉が必ず来ます。「ネット上に、〇〇万円となってますが・・・」空室が長いと既存入居者は募集条件を常にチェックしていますね。
ひと昔前なら、更新時に値下げ相談してください!とか、部屋の内容が違うので・・・と逃げれました。しかし、ネット上に室内写真が公開されていれば、反論できません。中には、既存入居者同士がタッグを組んで交渉してくる強者も実際にいます。消費者センターに相談する入居者さえいる時代ですから。
不動産価値を下げてしまうこと
家賃を下げれば、不動産価値も下げる結果につながります。仮に、土地付き一棟物件で売却するとなれば、家賃の年間収入に対して不動産価格を決める収益還元法で価格設定されることが多いので。売却予定がなければ問題ありません。
家賃値下げして入居募集するなら…
相場以外の理由で納得すること
家賃の値下げをするなら、相場以外の理由でまず大家さん自身が納得することです。不動産管理会社や仲介業者は、相場、相場、相場と口にしますが、相場の意味を本当に理解しているのでしょうか?大家さんに相場といえば、値下げしてもらえると思っていますから。
お取引している不動産管理会社や仲介業者に”相場の意味”を確認しては如何でしょうか?そうすると、なぜ、反響がないのか?空室のままなのか?理解できるようになります。結構、重要なポイントです。
その上で、大家さんが納得できれば、家賃を値下げしてもよいと思います。
まとめ
いかがでしょうか。家賃の値下げをOKにしようかな・・・と考えても、思っている以上に大変だと改めて理解できたと思います。家賃の値下げでOKにするメリットもありますが、現実として、メリット以上にデメリット部分も大家さんとして考えなくていけません。
空室対策の一つとして、家賃の値下げをしようかな?と考える前にもっと重要なことがあります。何だと思いますか?ぜひ考えてみてください。