空室対策でよくある提案の一つが、ペット可物件に変更する内容です。仲介業者や不動産管理会社がペット可を進めますが、その理由は何だと思ますか?たとえば、ペットブームだからですか?空室提案に行き詰ったからですか?または、ペット禁止なのに隠れて飼育しているのがバレたからですか?
簡単にペット可にしてはいけません!
もしもペット可を検討しているなら、次の内容を読んでからでも遅くないですよ。ペット可に変更して満室になっていれば、他の賃貸物件も変更していますから。
もくじ
ペット可にするメリットは?
ペット可でネット反響が増えること
ペット可にした場合、ネット反響が増えます。具体的にいうと、不動産ポータルサイトであるスーモやアットホーム、ホームズの物件検索でペット可にチェックした入居希望者からの閲覧数が増えます。
ペットブームもあって、犬や猫と一緒に生活したい方が増えているからです。
私も犬(ミニチュアシュナウザー)を飼っていますが、本当に可愛いですね。ペットを飼育している方は、ネット検索で最初からペット可のみで検索しています。ペット可にすれば、あなたの賃貸物件もその候補物件の一つになるでしょう。
家賃アップができること
ペット可物件が少ないので家賃をアップすることが可能になります。賃貸物件の状況によっても変わりますが、3000円~5000円位アップすることもできるかも知れません。
理由の一つにペットのためならお金を使うからです。だから、ペット愛好家が好むような設備になっているとさらに家賃アップしても何とも思わないでしょう。
隠れて飼育した入居者に紹介できること
ペット不可の賃貸物件に隠れて飼育しているケースもあります。そんな時にペット可物件にしていれば、新たな入居者として迎えることも可能になります。賃貸契約のルール違反をしているのは事実ですが、実務上、ペットだけ別に移すといっても可哀そうで、そんなことできません。スムーズに引っ越しできる環境を作ることができれば、入居率アップになるでしょう。
ペット可にするデメリットは?
騒音や臭い、衛生面でマイナスになること
賃貸は共同生活になります。また近隣周辺とのバランスも重要になります。だからペットの鳴き声、毛や羽、そしてウンチやオシッコの臭いなど想像以上に迷惑をかけているのです。大げさ位で丁度良いです。
ペット愛好家なら迷惑をかけない様に気を付けていますが、意外と迷惑をかけている可能性があります。たとえば、犬が留守番中に寂しく吠えたり、衛生面で迷惑をかけたりします。中には、賃貸物件のご近所さんからクレームが来る場合もあるのです。
ペットを飼っていない人からすれば、すべてマイナス印象にしか感じません。結構厳しいですよ。
原状回復でトラブルになること
退去後の原状回復工事でトラブルになるケースも非常に高いです。なぜなら、犬や猫などは人間のように言葉が通じないので室内をキレイに使おうと生活できません。(※バカにしているのではありません)
よくあるトラブルは、建具や壁を噛んだり、爪とぎしたりします。壁と壁の角部分などガリガリになっているケースもあります。洗面台の下扉がガリガリになっていることさえあります。最悪一式交換ですね。
これでは通常以上の追加金を請求することになりますが、払いたくない退去者ともめてしまうのです。新築時からの入居ならまだしも、中古で入居すれば、誰の責任かわからなくなります。
また私の経験上、退去後に薬品を使って機械で室内消臭をしても簡単に消えませんので。ペットの臭いは強烈ですよ。最悪、全面壁ボードとクロスの交換する覚悟が必要です。
ペット可にしても結果として成約しないこと
ペット可にしても、賃貸物件が満室になる可能性は少ないです。たとえば、新築物件をペット可で募集しても、今は飼わないが、将来ペットを飼う予定という入居者が多いですね。だから、近隣周辺の調査も必要になりますが、中古物件をペット可にしても、大家さんが望んでいる良い結果になり難いのが現状です。
ペット可に変更して入居募集するなら…
既存入居者の同意が必要である
そもそも、ペット不可で現契約が成立しているので、まず既存入居者へのアンケートを行います。そして次に、ペット可に賃貸条件を変更するための同意書を結ぶことです。
私の経験上、先にアンケートで確認することです。なぜなら、動物アレルギーなどで悩まれてる入居者もいるからです。「賃貸物件のペット可について」と書面でポスト投函してみることです。そして、1件1件、入居者と直接お会いして承諾を得ることです。時間をかけて対応すべき内容ですよ。
まとめ
いかがでしょうか。ペット可にしようと考えても、大変だと改めて理解できたと思います。ペット可にするメリットもありますが、現実として、メリット以上にデメリットも考えなくていけません。
空室対策の一つとして、ペット可にしようかな?と考える前にもっと重要なことがあります。何だと思いますか?ぜひ考えてみてください。