一般媒介契約の注意点は、不動産会社が真剣に売却活動をしないことです。1社単独でなく、複数の不動産会社で売却募集をするから成約できなくてもペナルティもありません。あなたが一般媒介契約でマンション売却するなら、よほどの人気物件でないと失敗する可能性もあります。注意してください。
その他にも一般媒介で気になる内容を詳しくお話しますので、最後まで読んで頂ければ、理解できると思います。では、マンション売却で一般媒介契約を結ぶ場合の注意点、トラブルポイントを解説します。ぜひ参考にしてください。
本気で営業活動をしないこと
一般媒介契約を結んだ不動産会社は、あなたのマンションを本気で成約しようとしていません。その理由は決めなくても全く責任がないからです。変な言い方ですがどうでも良いのです。
不動産会社の目線になれば、あなたのマンションを引き合いにして、他のマンションもあわせて買主に比較紹介できるので一石二鳥と考えています。
具体的にいうと、Aの物件もありますが、似たような条件Bの物件もあります。一緒に内覧しませんか? とあなたのマンションを足掛かりに他のマンションで成約してもよいのです。
複数社可なので問題点もあること
一般媒介契約は複数の不動産会社を募集窓口にして”情報発信”ができるのでプラスな面もあります。しかし、注意することもあります。同じマンションが何社も複数掲載されることです。
不動産ポータルサイトであるスーモやライフルホームズ、アットホームを確認すると、3社も4社も同じマンションが掲載されていると買主はどのように思うでしょうか?
(ネットユーザーの心の声)
急いでマンションを売りたいのかな・・・
何か問題があるのだろうか・・・
と疑いの目を持ちます。中には、マンション名を少し変えて掲載したり、マンション名でなく所在地を入力したりしてネット掲載しているのです。
買主がネット掲載から物件探しをしても、一般媒介契約の売りマンションだと直ぐにバレてしまいます。ここがインターネットの怖さというか、難しさです。最悪、中古マンションなので大幅な値下げ交渉も可能かも知れないと買主に足元を見られるようになります。
直接取引をしても気づかないこと
直接取引とは、売主のあなたと買主が直接売買の話を進めていくことです。一般媒介を結んでいる不動産会社以外であっても実際にはバレないでしょう。何が言いたいかというと、一般媒介なので本当にやる気がない状態です。この事実を理解してほしいです。
都合の良く扱われること
一般媒介であっても不動産会社が媒介取得する理由は、1件でも多くの売却物件を増やしてインターネットに掲載することです。責任のない一般媒介契約の取得ならとても都合が良いのです。
あなたの物件から他の物件で売買契約となり、仲介手数料を受領することも可能です。不動産会社の営業展開はとても上手です。この事実を知ってほしいです。
レインズ登録は任意であること
一般媒介を結んだ場合、レインズ(指定流通機構)への物件登録は任意になっています。専任媒介契約や専属専任媒介契約のように必ず指定日までに登録する義務がありません。
レインズとは、不動産会社が閲覧できる不動産情報サイトのことです。売却情報を全国的により多く開示して、少しでも早く成約できるようにするネットシステムのことです。
不動産会社の専用ページは一般の方には開けませんが、その他の情報なら確認できます。公式ホームページのリンクを貼りましたので確認してみてください。
一般媒介を結んだ不動産会社はレインズ登録が任意のため、どのように募集活動をしているのか? 結果的によくわからない状況になることが多いのです。何社であっても複数の不動産会社に売却依頼したことで【逆効果】にならないようにしてください。
基本的な内容を解説
2社以上の不動産会社に依頼ができる
一般媒介契約とは、2社以上の複数の不動産会社に売却募集を依頼できる契約形態のことです。たとえば、全国的に有名な大手不動産会社と地元の老舗不動産会社に同時依頼も可能です。
一般媒介契約を結んだ不動産会社は、一番に買主を探して売買契約を結ばなければ、仲介手数料(成約価格の約3%相当額)を受領できません。だから一生懸命、買主を探すために営業努力を頑張るのです。簡単に言えば、早い者勝ちのイメージです。
ここまでが建前上の話です。
建前と現実が少し違うことを理解する
一般媒介契約を結ぶならトラブルになる注意点を売主として理解しなければ、売れ残る可能性もあります。この点をこのページでお話します。インターネットの普及で状況が一変しました。
以前は、不動産会社に直接訪問しないと売り物件情報がわからず、買主が足でかせぐ時代がありました。不動産会社に訪問して良かった! しかし、インターネットの普及で180度変わりました。
不動産会社に行かなくてもパソコンやスマートフォンなどを活用すれば、不動産情報が誰でもわかるようになりました。新着情報もメール配信されるため、深夜でも物件探しが可能です。
上記で解説した不動産ポータルサイトに複数掲載されるために、買主に足元を逆にみられる可能性もあります。インターネットの普及から一般媒介契約を控える売主も増えてきています。
専任媒介契約のメリットなどもチェックする
マンション売却するときに一般媒介契約か専任媒介契約か悩むケースもあるでしょう。簡単にお話すると、2社以上の複数の不動産会社を募集窓口にできるのが”一般媒介契約”です。
そして1社単独の不動産会社を窓口にするのが”専任媒介契約”となります。別の記事でこの専任媒介契約について解説しています。あわせて読んでください。
まとめ
マンション売却で一般媒介契約を考えた場合、メリットとデメリットがあります。今回解説した一般媒介契約だけでなく、専任媒介契約や専属専任媒介契約の3つの媒介契約の中から1つ選択しなければいけません。このページを通して参考にしてください。
一点、補足までですが、私 浦田も一般媒介を売主と結んで不動産売却する場合もあります。
この場合は、売主と信頼関係があり、レインズなどに掲載したり、不動産ポータルサイトに掲載したくない水面下で売却活動をするときです。このケースならあえて一般媒介で売却活動をするのです。