エレベーターのないマンションでも売却できます。しかし、3階、4階、5階と階が高くなれば売れにくいので注意してください。
なぜなら、買主目線でお話するとエレベーターのない階段を日常利用することは不便だからです。もしも3階以上のマンションをあなたが所有しているなら、同じマンション内の1階部分の売り出し価格より値下げすることです。加えて、マンション買取も同時に検討してください。
これから詳しくお話しますが、エレベーターのないマンションでもプラス面はある! と、地震などの有事体験を事例にして話される方もいます。確かにそうだと思います。
たとえば、大きな地震が発生したときでもエレベーターがないので緊急停止する心配もなく、階段を利用することでスムーズに避難することができるからです。
しかし、自然災害に対する有事以外での日常生活では、やはり不便以外でしかありません。エレベーターのないマンションについて、買主はこのように考えています。
特に3階、4階、5階であれば、どうしたらエレベーターなしの階段マンションが売れるのでしょうか? 本当に悩んでしまいます。そこで、このページでは、エレベーターのないマンション売却方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
もくじ
エレベーターなしマンションを売る方法
エレベーターなしのマンションを売る方法は、あなた自身で相場をチェックした上でマンション買取を活用することです。大事な資産ではありますが、買主の立場になれば、売り出し価格で購入判断しています。厳しい表現で申し訳ありませんが、ご理解ください。
それでもこのまま読んで頂けるなら相場を自分で調べてみてください。
エレベーターなしのマンションについて相場を自分で調べてみる
相場を理解できれば、不動産会社に査定相談してもある程度、納得できるでしょう。さらに不動産会社が算出した売り出し価格も受け入れることができます。
上記でも解説しましたが、3階、4階、5階部分なら1階部分よりも売り出し価格を下げて売却募集する必要があります。買主目線で考えるととてもつらい状況になります。
エレベーターなしマンションなら買取がおすすめ
マンション買取とは、不動産会社が買主となってあなたのマンションを直接購入する売買方式の一つです。このマンション買取を活用している売主が増えています。
GoogleやYahoo!の検索からスーモ、アットホーム、ライフルホームズの不動産ポータルサイトを確認してみてください。
エレベーターなしのマンションが新築同様にリノベーションされたマンションが多く掲載されています。マンション買取を活用した売主が非常に多いということです。
エレベーターなしマンションの買取メリット
マンション買取のメリットは、不動産会社が直接購入するために現金化でき手残り額を計算しやすいことです。現金化できれば、その先の利用目的も明確になります。
不動産ポータルサイトであるアットホームやスーモ、ライフルホームズで売却掲載されているエレベーターのないマンションは、不動産会社が売主となっているリノベーション済の再生物件がとても多いです。
リフォーム済の階段マンションは、逆に相場より高額設定になっているケースもあります。
リノベーションとは、水回りであるキッチンや洗面台ドレッサー、トイレにユニットバス(お風呂)が新品交換するだけでなく、間取り変更に伴い、給排水配管も新品交換されています。まさに新築同様です。だから高額設定できるのです。
これには理由があります。マンション買取のデメリットにもつながる部分です。
エレベーターなしマンションの買取デメリット
マンション買取のデメリットは、相場よりも安く現金化されることです。具体的にいうと、相場の約70%位です。たとえば、築35年のエレベーターがない4階のマンション相場が1000万円位であれば、700万円位になるイメージです。
相場の約70%位で買取った不動産会社は、リノベーション工事を行い、相場の範囲内や状況によっては高めの売り出し価格に設定して次の新たな買主に売る転売を行います。
マンション買取のデメリットに納得できれば、エレベーターのないマンションにはおすすめの売却方法になるでしょう。別のページでマンション買取の注意点を解説していますのであわせて読んでください。
エレベーターなしマンションは価格勝負になる【重要なポイント】
一般的な分譲マンションの場合、1階部分から上階に上がる毎にマンション価格は値上りします。4階や5階になれば、さらに資産価値も高くなります。
しかし、あなたのマンションにはエレベーター設備がありません。だから、エレベーターのないマンションは上階に行けば行くほど、逆に資産価値が下がり、売却価格も値下がりしていくのです。最上階になれば、築年数と共に不動産評価も値下がりします。
まずこの事実を売主のあなたは理解しなければいけません。
具体的にいうと、同じマンションの1階部分の売り出し価格よりも低く設定することになります。仮にあなたのマンションが5階部分と仮定します。1階が1380万円位なら、5階の売り出し価格は980万円位のイメージです。
たとえば、4階部分のエレベーターのないマンションが1階よりも安くなるなら、内覧してみよう! 買主の購入心理は、物件に魅力を感じる価格設定が重要です。この流れで階数別の価格設定についてもお話します。
エレベーターなしマンションの3階部分の売却価格
上図のように、エレベーターなし1階部分のマンション価格が1380万円の場合、3階部分は、1180万円位に値下がりします。1階部分から約200万円位にダウンするイメージです。
エレベーターなしマンションの4階部分の売却価格
エレベーターなしの4階部分のマンションなら1階の価格1380万円を軸にすれば、1080万円位まで値下がり可能性があります。1階部分から約300万円位にダウンする感覚です。
この位、1階部分と価格差がなければ、買主にとっても購入メリットと感じないのです。
エレベーターなしマンションの5階部分の売却価格
エレベーターなしの5階部分のマンションなら1000万円台を割ってきます。1階の価格1380万円から約400万円位のダウンを想定するので980万円と予想することができます。
売主からすれば、私浦田の解説に立腹されそうですが、階段利用のマンションは1階のマンション価格が基準になって階が上がるごとに値下がりします。買主のこのように理解していますので、受け入れてください。
エレベーターなしマンションの1階部分の売却価格
エレベーターなしのマンション売却を考える場合、あなたのマンション1階部分が基本軸になります。1階部分を気にせずに価格設定を進めてはいけません。
1階部分の売却方法も同時に理解しながら価格設定をしてほしいと私浦田は考えています。
スキップフロア型マンションの売却事例
スキップフロア型マンションとは、各階にエレベーターが止まらないマンションのことです。
エレベーターが止まらない階は、専有面積が広かったり、特定の方以外通らなかったりと防犯上でもメリットがあります。しかし、その分階段を利用するのでデメリットが多いと思われています。だから、思っている以上に売却は難しいです。
中古団地の売却事例
築年数が古い団地の場合、エレベーターがない階段利用の団地が多いです。
→『団地を売る方法』
この場合、立地条件がよくないと一般公開で売却しても売れ残る可能性が高いです。特に高齢者や幼児を抱っこした母親には毎日が苦しく感じるでしょう。
低層マンションの売却事例
低層マンションとは、3階位までで階層構成されていますが、築年数や立地など、買主が好む購入条件でなければ売れ残る可能性が高いです。エレベーターのない階段物件なら管理費や修繕積立金なども低額になります。しかし、毎日の生活を考えればエレベーターがありません。毎日が元気なときばかりではないからです。
また、1階部分と同様に3階位までだと玄関やベランダから虫が入ってきたり、湿気も気になったりと女性には避けられる傾向にあります。低層マンションを売却するなら価格設定を間違えないことです。
築30年以上のマンションの売却事例
特30年以上のマンションになると、1981(昭和56)年6月1日の新耐震基準がポイントになります。5月31日以前の建築確認された旧耐震基準のマンションならエレベーターなしと同じような考え方が必要になります。
既存不適格マンションの売却事例
既存不適格マンションとは、当時の法律では合法でも現在の法律には適用されないマンションのことです。それだけ築年数も経過していることがわかります。
エレベーターなしのマンション売却に共通していることが多いのであわせて読んでほしいです。当時と同じマンションが再建築できないので買主も購入しようとしません。
エレベーターなしのマンション売却が失敗する理由
エレベーターなしのマンションが売れないのは日常生活で不便だから
エレベーターのないマンション売却が失敗する理由の一つは、買主が購入しても日常生活で困るからです。さらに、足腰の悪い方・幼児をのせたベビーカー・重たい荷物運び・車椅子生活などでも不便さを感じてしまいます。
マンション購入の決め手として、エレベーターの有無はとても重要なのです。
エレベーターなしのマンションが売れないのは買主が好まないから
また日常的に階段をマンション住人や郵便、配達の方などが利用することになるので昇り降りの足音も気になります。日中ならまだ良いのですが、階段付近の号室であれば深夜のバタバタ音や揺れを感じかも知れません。
エレベーターなしのマンションが売れないのは築年数が古いから
さらに、中古マンションなので想像以上に築年数の関係から音の響きや揺れも大きくなっていると思います。その理由の一つには、法定耐用年数も関係しています。
法定耐用年数とは、マンションの寿命を国税庁が数値化した指標です。たとえば、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造では47年に設定されています。
あなたに質問です。
Q:今のエレベーターなしのマンションは築何年になりますか?
法定耐用年数から逆算して差し引きすると、あなたのマンションの寿命は残10数年になるかも知れません。建物が古くなれば、エレベーターがないマンション売却はやはり不利になるでしょう。
さらに、共用廊下からマンション玄関まで階段を使うので建物の古さを買主が実感するかも知れません。たとえば、共用部分の階段床や天井照明の鉄部のサビ、内壁のヒビ割れクラックなどです。
マンションの築年数の関係から長期修繕計画を作成して定期的に修繕工事を行います。この修繕工事を大規模修繕工事といいますが、修繕積立金の積み立て額に応じて工事内容を決定します。
しかし、大規模修繕工事の前なら階段の昇り降りで『このマンション、やはり古いな!』と買主にマイナスイメージを持たれると建物の老朽化から一段と不安感を抱かれるでしょう。
このように、エレベーターがないマンションは築年数の古さも伴い、買主が避けてしまう中古不動産です。繰り返しますが、あなたのマンションは何階部分になりますか?
エレベーターなしのマンションが売れないのは一人暮らしでも避けられるから
エレベーターなしのマンションを一人暮らしの買主なら購入するかもと売主なら考えると思います。しかし、結論は難しいでしょう、いくら値下げしてマンション売却しても売れ残る可能性があります。
それは、毎日の生活があるからです。特に3階や4階、5階となれば、夏は汗をかくし、冬は寒い中で足腰は疲れるしで本当に嫌になるでしょう。マンション売却は、買主目線で考える必要があります。
団地でエレベーターなしなら高齢者には危険である
将来を見据えるとエレベーターなしの団地は買わない
マンションだけでなく、団地であっても階段を利用するエレベーターなしは多いです。高齢者なら特に足腰も弱くなるので、毎日階段ではとてもつらいでしょう。買主の年齢にもよりますが、将来を見据えて団地でエレベーターなしから最初から購入しないでしょう。
マンション買取も活用しながら対応する必要があります。
高齢者の両親でもエレベーターなしの団地を希望しない
高齢になった両親を近くに住ませようと、中古マンションや団地を子供たちが検討することがあります。このときに、エレベーターがない団地は最初から購入検討にありません。厳しい表現ですが、自分の親を苦労させる子供はいないからです。
まとめ
エレベーターのないマンションでも売ることはできます。しかし、3階、4階、5階と階数が高くなると売れ難いので、マンション1階部分より値下げした売り出し価格にすることです。
そして、相場も自分で調べてみましょう。今売ったらいくらになりますか? またマンション買取も売却方法の一つに活用してください。
エレベーターのないマンションを売却するケースでは、不動産会社が買主となって売買契約ができる方法を取り入れている売主が非常に増えています。
マンション買取を活用すれば、相場の約70%位で現金化されます。このポイントをあなたが納得できれば、とても良いエレベーターのないマンション売却方法になるでしょう。